代表的な使用例:ゴムライク樹脂で臓器を造形する
ZENITH 3Dプリンターは吊り下げ造形方式で液体樹脂(レジン)を硬化させます。レジンはモデル作成用と鋳造用があります。使用用途としては、血管・臓器やマイクロ流路の造形、精密な機械部品やジュエリー等の試作・鋳造に使用されています。
ゴムライク樹脂(硬度ショアA 0.2~60)を使用する。物性表はこちらへ。
(1)高伸縮ゴムライク系樹脂
・硬度ショアA 60
・硬度ショアA 13
・硬度ショアA 0.2
(2)レジン(Acrylate Photopolymer)
・マイクロ流路
マイクロ流路 直径 1mmと0.9mm
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マイクロ流路(右) 直径 0.4~0.8mm
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・サージカルステントと歯科模型
ZENITH 3Dプリンターの特長
なぜ、ガルバノスキャン方式を採用?
ガルバノスキャン方式を採用する最大のメリットは、精度を落とさず大型の造形物を作成できることです。従来の光造形3Dプリンターでは高い精度で造形する場合は、造形サイズを小さくする必要がありました。これは、高解像度にするためにはピクセルサイズを小さくする必要があるためで、そのトレードオフとして造形サイズは小さくなります。ZENITH 3Dプリンターはレーザーを使用しているため、大きな造形物の作成でも解像度を落とすことなく、高精度で作成できます。また吊り上げ方式による造形のため、樹脂コンテナーに入れる樹脂(レジン)は少量で済みます。モデル作成用、およびWAX UP用の樹脂(ダイレクト鋳造)があります。ZENITH 3Dプリンター専用のソフトが付属しており、さまざまな設定(造形スピード、造形ピッチ、モデルの設置角度指定等)が可能です。
少量のレジンで造形できます。
レジンタンクに少量のレジンを注入することで造形物を作成できます。造形後、残ったレジンはレジンボトルへ戻すことができ、再利用可能です。
なお、レジンは3Dモデル用(白、透明)およびWAX UP用(白)があります。
最小積層ピッチ16μで造形可能
要求する精度によって3段階の積層ピッチ(16μ, 50,μ 100μ)で造形できます。左の画像のとおり、指輪やブローチ(葉)を繊細に表現できます。(積層ピッチ16μ)
複数の造形物を一度に作成する
ワークエリア上で多くの造形物を一度に作成できます。右の画像内の指輪の場合、最大15個程度 造形できます。
サポート作成用に豊富なコマンドを備える
高精度で綺麗な造形物を作成するためにはサポートの建て方が重要となります。ZENITH 3Dプリンター専用に開発されたモデル作成用ソフトウェアは、自動または手動でサポートを作成できます。その他、最適な条件で造形できるよう様々な環境設定が可能で、屈曲面自動判定や出力物離脱防止機能があります。
ZENITHでは専用レジンの成分との相性を考慮し、最も良い条件でサポートが建てられるよう開発を続けています。
WAX UP対応
WAX UP用レジンの使用でダイレクト鋳造が可能となります。直接鋳造できるため、製造時間の軽減につながります。宝飾などの製作で利用されています。
ZENITH 3Dプリンターの仕様
モデル名:ZENITH 3Dプリンター | |
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スキャン方式 | ガルバノスキャン方式 |
技術 | SLA (Stereolithography Apparatus) |
光源 | ブルーレーザー |
造形サイズ | 110x110x150mm |
造形ピッチ(Z) | 16μ, 50μ, 100μ |
樹脂 | レジン(Acrylate Photopolymer) |
作成モデル | 3Dモデル、WAX UP、Surgical guide |
樹脂の種類と色 | 3Dモデル用(白、透明)、WAX UP用(白) |
電源 | 100-220 VAC, 50/60 Hz |
使用温度と湿度 | 22-25°C, 60% |
寸法(W x H x D) | 350 x 355 x 490 mm |
質量 | 17.5kg |
ソフトウェア | ZENITHソフトウェア |
入力フォーマット | STL |
接続 | USB |
OS | Windows XP, 7, 8, 10 |
掲載の仕様は予告無く変更されることがあります。
物性表
ゴムライク樹脂の物性表
樹脂型式 | モデル60 | モデル13 |
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引張強さ(MPa) | 1.68 | 0.56 |
引張破断時の伸び(%) | 120 | 280 |
色 | 薄黄色透明色 | |
ゴムショアA硬さ HDA | 60 | 13 |
ガラス転移温度DSC(℃) | -28 | -48 |
作成された造形物を加工する
造形物の作成後、モデルを3Dプリンターから取り出します。
造形物の完成後 プリンターのカバーを開け、ワーキングプレートにぶら下がっている造形物をプレートごと取り出す。
スクレーパーを使ってプレートから造形物を取り外す。
洗浄容器にアルコールを入れてブラシで洗浄する。
ニッパなどでサポート(支持台)を取り除く。
作成された造形物によっては、UV硬化機を利用した後で硬化(Post Cure)をお勧めいたします。(硬化時間は約10分)
造形物のサンプル
ブローチ(葉) 32x20x1mm |
指輪 径22x7㎜ | プレート 50x50x10㎜ |
鎖 107x41x4mm |
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鏡 径48mm
リスト・チェーン 径15x108㎜
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